新たな価値を創出する商業施設の展開 駅を拠点としたまちづくり 座談会新たな価値を創出する商業施設の展開 駅を拠点としたまちづくり 座談会

南海電鉄では、イノベーション人材・風土づくりと事業創造を目的に、
2019年4月から「新規事業開発プログラム」を開始し、その2カ月後「新規事業部」を発足。
以来、社員の自由な発想と情熱を事業化する社内ベンチャーや
スタートアップ企業との協業など、攻めのビジネスを展開している。
そこには、どんなやりがいやチャンレンジがあるのか。
最前線で活躍する若手社員3名が、それぞれの経験や思いを語り合った。
  • 東本 真奈

    東本 真奈Higashimoto Mana

    イノベーション創造室 新規事業部 上級主任
    2015年入社
  • 長屋 徹

    長屋 徹Nagaya Toru

    株式会社EMOSHARE 代表取締役社長
    2017年入社
  • 冨重 真帆

    冨重 真帆Tomishige Maho

    イノベーション創造室 新規事業部
    2019年入社

これまでの経緯と現在の仕事

  • 東本
    新規事業部が発足した時からのメンバーです。具体的な事業はまだ決まっていない状態の中、私を含めて3人からのスタートで少しさみしかったのですが、とにかくがんばろうと思っていましたし、ワクワク感もありました。現在の主な仕事は、自分の担当事業である高速動画技術を活用した動画マップの検討と、新規事業開発プログラムの事務局です。
  • 長屋
    私は入社以来ずっと経理に携わっていたのですが、仕事の感覚がつかめてきたかな、というタイミングで新規事業開発プログラム(1期)への参加募集があったので、手を挙げました。発案したオンラインコミュニケーションアプリ「EMOSHARE」の事業化に専念するために新規事業部に異動し、1年後の2021年5月に株式会社EMOSHAREを設立しました。
  • 冨重
    私は人事部で教育や社内研修を担当した後、新規事業部に配属となりました。現在は、デジタル領域での新規事業を部門横断で推進する業務に携わっています。また、異動する前から新規事業開発プログラム(2期)に参加していて、部署の業務と並行する形で取り組んでいます。誰かに価値を届けることでお金を稼ぐ仕組みを考える仕事をしたいと思っていたので、新規事業部に異動が決まった時は「やったー!」という感じだったのですが、一方で仕事が大変な印象もあって、とうとう始まってしまったなと…
  • 東本長屋
    ばれてた!(笑)
  • 冨重
    「仕事が大変」すなわち労働時間が長い、というようなイメージではなくて(笑)。鉄道会社のビジネスモデルが130年以上変わっていない中で、顧客にとっての新しい価値をどうやってつくり、その対価としてお金をいただくシステムをどう回してくのか、とにかく難易度がとても高い、という意味での大変さです。

新規事業開発プログラムから
生まれた「EMOSHARE」

  • 東本
    新規事業開発プログラムは、アイデアの良し悪しというよりも、自分が感じている問題に対してこんなものが世の中にあったらいいな、という思いを形にしていくというものです。「EMOSHARE」はまさにそうやって生まれたサービスですよね。
  • 長屋
    従来のSNSでは、スポーツの試合やコンサート等コンテンツに触れた際に盛り上がる瞬間的な感情を共有できず、そこにモヤモヤとした不満を感じていました。たとえば、僕は野球が好きなのですが、同じタイミングで試合を見ている人を探すのが難しかったり、逆に既存コミュニティには人が多すぎて入るのに躊躇してしまったり。そうした課題に対する解決策を考えて、サービスに落とし込んでいきました。今、社員は2名で、私が営業方面を、もう一人が開発方面を担当しています。
  • 冨重
    経理の知識が役立つことはありますか?
  • 長屋
    意外とないですね。今はどちらかというと、外に出てお金を稼ぐ、営業としての経験のほうが重要というかんじです。
  • 東本
    とはいえ、財務計画など資本施策ひとつとっても、長屋さんはやっぱり引き出しが多いと思います。事務局では、進捗や今後について定期的にミーティングをして把握しているのですが、そういう点で安心ですし、経営者の顔になってきたなって感じます。
  • 長屋
    はじめて言われた(笑)。うれしいです。もちろん、まだまだこれからという状態ですけど、会社を設立してからの1年は、想像していたよりも動けているなと思います。
新規事業開発プログラムから生まれた「EMOSHARE」

事業化への道のりと支え

  • 東本
    新規事業開発プログラムの2期は、活動をはじめて約10カ月がたちました。3つのサービスについて事業化に向けた検討が進んでいるのですが、その一つが、冨重さんの発案です。
  • 冨重
    はい。かいつまんでいうと「自分を大事にしていると思える食事」をテーマにしたサービスです。何度も方向転換をして、その度にソリューションも変えて。こういう世界観にしたいな、というものがようやく定まってきたところです。
  • 東本
    新規事業開発プログラムでは、インタビュー調査など市場との対話をとても大事にしています。対話を繰り返し、提供する価値もどんどん変えて、個人の思いを社会ごとに昇華させていく。その過程で必ず壁にぶつかるのですが、その時に自分の意志で立ち上がれるかどうかが重要だと思っています。
  • 冨重
    やめてしまおうか、と毎日思っていましたが、ちょっとでも落ち込んでいると、東本さんが「どうしたん?」と言葉をかけてくれて。そのひと言が、抜群にホッとします。また、一緒にがんばってくれているメンバーの存在も間違いなくパワーになっています。
  • 長屋
    僕も同じ道を通ってきました。どうやってやめようって伝えようか…、と思ったこともあるんですが、こんなに一緒に喜んだり沈んだりしてくれる人、自分のことのように悩んでくれる人がいるんだったら、もうちょっとがんばってみようと。
  • 東本
    苦しくても、ワクワクしながらできる環境をつくることが私の役割ですし、相談された時にすぐに一緒に考えられる、かつ動けるように心がけています。また、自分の意志でものごとを進めて、壁を乗り越えていく人材を、同志としてたくさん増やしたいという思いもあります。そんな人たちが今後の南海グループを背負っていく存在になると思っています。
事業化への道のりと支え

南海電鉄が運営するeスポーツ専用の施設
 eスタジアムなんば Powered by NANKAI

新規事業の創出に携わる
やりがいは?

  • 東本
    関わる人たちが生き生きと仕事をするためのお手伝いをしている、という認識なので、みんなが楽しそうにしてくれていることが私のやりがいです。それから、新規事業ってすごく難しいのですが、ありがたいことに前向きな仕事なんですよね。我々はまだ若手ですが、会社の未来をつくっていると自覚できる瞬間が毎日あって、そんな幸せなことってないなと思います。
  • 冨重
    私のやりがいは、優秀な先輩や後輩と一緒に働けることです。思いやりがあって、とても親身になって一緒に考えてくれる。見習いたい部分がたくさんあって、なんていい職場だ(笑)と思いながら働いています。
  • 長屋
    僕のやりがいは2つあって、ひとつは、良くも悪くも自分の意思や行動が直接結果に反映されることです。うまくいかずに激しく落ち込むこともありますが、プロトタイプのサービスを使ってもらって盛り上がった日は1年分くらいうれしい(笑)。そしてもうひとつは、新規事業開発プログラムや会社立ち上げの経験を伝えることで、少しでも後に続いてくれる人たちの応援ができればと思っています。
  • 冨重
    私は長屋さんの姿を見て、自分もやってみよう、と2期に参加しました。さっき、同じ道を通った、という言葉を聞いて「然るべきしんどさなんだ」とちょっと安心しました。1期では「EMOSHARE」含めて3つのサービスが法人化されていますが、やはり一番最初に走ってさまざまな苦労を乗り越えてきた皆さんはすごいな、と思います。
  • 東本
    私は1期生に対しても2期生に対しても、事業創出に挑戦しているというだけでリスペクトしかないです。

成長や学びについて感じること

  • 長屋
    成長を実感することは無限にあるのですが、そのひとつが、自分の考えや描いている世界観を伝えられるようになったことです。最初は営業のアポイントを取るのも、メールを送るのも怖かったんです。そもそも人としゃべるのが苦手で「EMOSHARE」をつくったので(笑)。とくに僕は得手不得手が明確で、苦手なことはとことん苦手なタイプだという自覚があったのですが、苦手部分を補ってもらうためにも協力していただきたい人にはアタックしよう、という意識づけができるようになりました。
  • 東本
    人とのつながりを大事にするようになったし、連絡などもマメになりましたよね。ずっと一緒にやってきたので、成長してるなと感じます。
  • 長屋
    そう言ってもらえるとうれしいです。営業など自分でやるべきところは伸びましたし、誰かに助けてもらうスキルも伸びました。もともと伸び代しかない人間だったと思うので(笑)。東本さんはどうですか?
  • 東本
    2年半、新規事業にたずさわってきて、世の中のサービスや事業がどういう風に成り立っているのかを考えるようになりましたし、正解を見なくても、こういう感じで成功しているんだろう、ということもわかるようになってきました。社外や職場の皆さんに鍛えてもらって、新規事業のプロセスを自分の中に落とし込めるようになったことが成長かな、と思います。
  • 冨重
    私はまだまだ成長できていないのですが、しいていうなら、事業を進めていく上でのマインドセットの仕方を意識するようになりました。これまでは、「自分が方針を示さなければ」という思いが強すぎて不安になり、それが周りにも伝わっていて。でも、新規事業の場合は、役割分担を重視するよりも「一緒にやってよかったと」と思えるような雰囲気づくりが大切なのだということを学びました。

今後の挑戦と学生の皆さんへの
メッセージ

  • 東本
    今は一人ひとりの熱い思いで新規事業が成り立っているところがあるので、これからはもう少し仕組みに落とし込みたいなと思っています。ただ、いろんな人から「まだ無理、10年くらいたたないと体系化しないよ」と言われているので、その葛藤ですね(笑)。学生の皆さんに伝えたいのは、同じような業種やサービスの会社でもそれぞれに特徴があるので、その違いを楽しみながら就職活動をしてほしい、ということです。それから、社会人はそんなに悪くないよ、って思います。特に南海電鉄にはいろんな事業分野があって若手も活躍していますし、挑戦したい人には新規事業というフィールドもあります。いい会社ですよ(笑)。
  • 冨重
    私は、「社会人になったらいつか挑戦したい」と思っていたことに今まさに取り組んでいるので、他にやりたいことはありません。誰かに価値を提供するってなんて難しいんだろう、と日々感じていますが、それができないまま中途半端に終わってしまうことだけは絶対にしたくない。社外の方に驚かれるのですが、既存領域をいったん頭から外して個人のやりたいことにフォーカスした事業をつくる、というのは世の中では稀なことみたいです。手前味噌ですが、私はそんな挑戦をさせてくれる南海電鉄のことが好きですし、誇りを持っています。東本さんと同じになりますが、すごくいい会社です(笑)。
  • 長屋
    僕がこの1年でとくに大事だなと思ったのは、どうやって「EMOSHARE」を広めていくかというマーケティングと、どうすればチームをより良いかたちで前に進めていくことができるのかというマネジメントの部分。今年はインターン生を迎えて体制が増えるので、気持ちよくがんばってもらえるような環境づくりに注力したいと思います。就職活動に関しては、会社に自分を合わせるのではなく、得意なこと・やりたいことができそうな会社を探すという「自分本位」でいいんじゃないかなと思います。それが南海電鉄にあるなら大歓迎ですし、少なくともやりたいことをやらせてもらえる環境だと思います!

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今後の挑戦と学生の皆さんへのメッセージ

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